2012年8月30日木曜日

第37回 眼の障害

まず、目の障害を見ます。

実は障害認定の基準は、近年見直しが多くなされています。
医学の進歩と実際の請求の実情に合わせて
場合によっては、見直しが必要になるからです。
ですから、あくまで以下は現時点の基準です。

まず、眼の障害は視力・視野・調節機能・輻輳(両眼が同時に内側を向くような
眼の動き等)機能障害・欠損障害に分けられています。

以下の視力は矯正後の視力をいい、両眼の視力の和とは
各々の測定値を合算したものをさします。

両眼の視力の和が、0.04以下のものは1級相当です。
両眼の視力の和が、0.05以上0.08以下のものは2級相当です。
両眼の視力が、0.1以下のものは3級相当です。

両眼の視野が、5度以内のものは2級相当です。

以上は、あくまで例示であってその他に眼の障害があれば
それも加味されて、判断されます。

眼の障害の場合には、3級には該当しない程度の場合に
障害手当金という一時金が支給される場合があるので要注意です。


また、眼の病気で請求が難しい病気に網膜色素変性症があります。
先天性の病気ですが、若い頃には視力が少し落ちて眼鏡をかける程度で
中年以降に発症し、症状が出るのが一般的です。

この場合、いつの時点を初診日にするのか? が
障害年金の請求で難しい点です。

先天性だから20歳前の障害基礎年金単独での請求と年金事務所で
言われることがあるかもしれませんが、自覚症状や病状が確認されず
普通に勤めていたり、日常生活を送られている場合には
障害厚生年金の時期を初診日と主張することで、2階部分の年金がもらえ
得することがありますので、請求の際には注意が必要です。


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松永社会保険労務士事務所
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2012年8月29日水曜日

第36回 障害認定基準とは・・・

障害年金での障害等級は、1級から3級まであります。
障害基礎年金は1級と2級だけしか設定されていないことは
既に書いた通りです。

そして1級・2級・3級とは、どのような状態であるのか?
大まかな目安、とらえ方も前に書きました。

しかし、これだけでは実際に様々なケガ・病気に起因する障害を判断し
障害等級の軟球に該当するのか、という場合にあまりに漠然としているので
審査する現場も困るし、何より審査先により決定結果にばらつきが
生じる恐れが出てきます。

そのため、国が実際に審査する際の判断基準を決めているのが
障害認定基準というものです。
障害基礎年金・障害厚生年金では、国から委託を受けて日本年金機構が,
障害共済年金の場合、各共済(連合会)が、障害状態の審査をします。
各審査機関で審査の際に用いられている判断基準なのです。

これを見ていきますが、社労士の方で障害年金の請求代行をされている方の
ホームページに、ほぼ全部を掲載している方がいますが
全てを知る必要はありません。障害の種類によっては混乱するかもしれません。
また、全ての障害について定めてあるわけでもありませんし、
この判断基準自体、障害の種類によっては曖昧さを残さざろう得ないような
種類もあるため、曖昧な部分も実際にはあります。

判断基準自体に曖昧な部分が残っているために、我々社労士が請求代行を
行う場合でも、「おそらく、〇級程度だろう」程度の話しか出来ませんし、
年金事務所等の窓口での相談でも、決して〇級に該当するような話はされません。

曖昧さが残り、実際には請求して結果が出なければ分からないという面が
障害年金の請求ではあることをご理解の上、
次回以降、その判断基準をご覧下さい。



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2012年8月27日月曜日

第35回 障害別障害等級を見る前に・・・

障害別の障害等級を今から見ていきますが
その前に、誤解なきよう説明をしておきます。

障害年金は、障害状態について日常生活や就労上支障がある場合に
支給される、いわば生活保障です。
この障害状態とは、病気・ケガの種類・原因を問いませんので、
先天性でも、交通事故・労災の後遺症でも、病気やケガの状態が
前のブログの記事に書いたような状態であれば、支給されるものです。

但し、前に書いた1級から3級までの障害状態とは、あくまで目安であり
実際には障害別に障害年金の判断基準が定まっています。
・・・とは言え、病気・ケガの全てについて、判断基準を定めることは
不可能ですので、障害別の定めてある判断基準もあくまで目安であり
それに該当しない場合には、その方の障害状態に近い判断基準を用います。
それでも、中には非常に珍しい病気,一般的にはなじみのないような病気では
うまく、その病気を判断する基準が他の病気のものが利用出来ずに
最終的に、前に書いた1級から3級までの障害状態の大きな目安で
考えた場合には、果たして何級に該当するのか?
という判断になってきます。

ですから、次回から障害別の障害年金の判断基準を見ていきますが
それはあくまで例示であり、それが全ての判断基準ではなく
ケース・バイ・ケースで判断される場合も当然ありうるという点を
ご理解頂きたいと思います。


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2012年8月22日水曜日

第34回 障害等級とは・・・

前回の障害状態の要件を少し詳しく見てみます。

障害年金を受けるには、障害年金で定める障害等級に
心身の状態が該当しなければなりません。
この障害等級は、労災や身体障害者手帳等の障害等級とは全く違って
障害年金独自のものであり、手帳類の所持が条件ではありませんので
手帳をもらえる状態であっても、先に手帳の申請をして交付を受けてから
障害年金の請求をしなければならない、ということはありません。

障害等級は、障害年金では1級から3級まであります。
手帳や労災の障害等級が多いのに比べて、等級が少ないのが分かります。

障害基礎年金には、1級と2級しかありませんが
障害厚生年金や障害共済年金には、1級から3級まであります。
(念のため、両者の1級と2級は同じ障害状態です。)
そのため、心身の状態が非常に悪い場合には障害基礎年金でも
障害厚生年金や障害共済年金でも障害年金がもらえますが
障害状態が比較的軽く、3級に該当するような場合には
障害厚生年金・障害共済年金はもらえますが、3級という等級の設定がない
障害基礎年金は、もらえないということになります。

では、具体的に1級・2級・3級とは、どういう状態なのか?
という点が気になるところだと思います。

障害の状態別に実は細かく決まっているのですが
まず概要です。最初から細部を見てみると1級から3級までの
大きな区分が分かりませんので、分かり難くなります。

1級とは、自分の身の回りのことがほとんど出来ない状態で、いつも、誰かの介助が必要な状態。

2級とは、自分の身の回りのことは少し出来るのだが、誰かの介助を必要として、お仕事が出来ない状態。

3級とは、仕事は出来るけれども労働時間を短くしたり、出来るお仕事の内容が限定されるような状態。

と、上記が1級~3級の大まかな考え方です。
但し、あくまで大まかなとらえ方なので、障害の種類や
その方の生活状況やお仕事の内容によっては、
お仕事をしていても、2級に該当するような場合もあります。

次回以降、障害別の障害等級を見ていきます。


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2012年8月21日火曜日

第33回 障害要件とは・・・

今回は、障害要件についてです。

当然のことながら、障害年金は心身の状態が障害状態の場合に初めて支給されます。
ところが、この障害状態というのが分かり難いわけです。

年金制度への加入の要件,年金保険料の納付要件のこの2つについては
年金事務所や市区町村役場でも、初診日さえ確定させれば確認出来て
問題なしと言われれば、何ら問題はありません。

しかし、この障害要件を満たしているのかどうか、については
年金事務所の窓口受付の方も、明確なことは言われません。
次回以降、お話するのですが、非常に曖昧な箇所があるからです。

今回は、概略の説明だけしますが、そもそも障害とは何か?と言いますと、
日常生活での支障,お仕事をする上での支障を言います。
障害と言いますと、多くの方が肢体の障害、車椅子や寝たきり状態を
イメージされますが、生活や仕事での支障ですので、
心の病気で大きな問題がある場合も、該当することになります。

今ではネット等の情報で、かなり浸透はしてきましたが
うつ病や統合失調症等の心の病気でも十分、障害年金の請求が出来ます。
心の病気は、程度も様々で症状も様々で日常生活で大きな支障をきたす
原因になっています。

今回は、まず障害とは生活や仕事での支障であって、
必ずしも身体的な障害のみに限らず、心の病も含まれることを
ご理解下さい。 少しずつ、障害状態について見ていきましょう。



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2012年8月20日月曜日

第32回 障害状態を審査(判断)する日

前に、障害認定日請求と事後重症請求と請求方法にも
種類があることをお話しました。


障害認定日は、原則初診日から1年6ヶ月経過時点であり
その時点で、心身の状態が障害年金で定める障害等級に
該当しない程度だったり、その時点の証明が出来なければ
現在の心身の状態で障害等級に該当するか否か、
該当する場合には、何級なのか?を判断(審査)してもらいます。

そのため、初診日から1年6ヶ月時点で請求すれば
提出する診断書は1通で構いません。

しかし、数年後に請求する場合で上記の1年6ヶ月経過時点の
診断書が提出出来れば、その時の診断書と今の診断書と
2通、診断書が必要になります。
1年6ヶ月時点で認められると、最大で5年分はさかのぼって
障害年金がもらえるということになります。

一方で、ちょうど医療機関を受診していなかったような場合には
その時点の診断書が提出出来ませんので、
結果的に現在の診断書で判断してもらうことになり、
さかのぼって、まとめてもらうことは出来なくなります。

なお、初診日から1年6ヶ月経過時点とは
1年6ヶ月の日以後、3ヵ月以内の身体の状態を書いたものであり
診断書上の現症日に、その日付が書かれなくてはいけません。
また、現在の診断書とは年金事務所へ提出する時点から
3ヵ月以内に書かれた診断書となっています。

更に・・・・ 障害認定日後から1年以内に障害年金を請求する場合
障害認定日時点の診断書1通で足ります。
このあたりも、よく整理しなくてはいけない所です。

年金事務所等に障害年金の相談に行かれる際には
必ず、今までの経過をお話して、いつの時点の診断書が
何通必要であるのか? をご確認下さい。

診断書一つとっても、このように人によって
或いは、そのケースによって、いつの時点か? 何枚必要か?
異なりますので、注意が必要です。



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2012年8月17日金曜日

第31回 保険料納付要件とは?

今回は、年金の保険料の納付要件とは? という話です。
前からの記事をお読みになると、年金というのは保険制度である
と分かって頂いているかと思います。

しかし、民間の保険と違うのは国がやっている、国民が一定年齢の場合
必ず入らなければならない保険制度であるという点です。
ですから、年金の保険料の本来は納めるべきですが、何らかの事情で
納められないような場合がありますよね。
そういった場合に、ではどれだけ納めていれば障害年金という
いわば、保険を受け取ることが出来るのか?を定めておかなくては
混乱が生じますので、この保険料納付要件というものが決まっています。

現在の法律での話ですけど、実は次の2つのいずれかを満たせば
年金の保険料の条件は満たしています、との扱いをされます。

① 初診日の前日において
   初診日の前々月までの年金の被保険者期間内で
   保険料を納めた期間と免除された期間が、3分の2以上あること

② 初診日の前日において
    初診日の前々月までの年金の被保険者期間1年間で
   未納期間が全くないこと

この②の場合は、特別な扱いで現在用いられているもので
本来は①の条件を満たすというのが、条件。

「初診日の前日」という言葉があるように、初診日というのは
年金の保険料の納付状況を見る基準日にもなるわけです。

これ、何故? 初診日の前日か? って思うでしょう。
簡単に言えば、事後的に保険請求が出来ないようにしてあるの。
初診日において、と決めてしまえば、極端な話ですが
事故やケガで医療機関にかかった、その初診日に今まで払っていなかった
年金保険料を納めれば、いともやすやすと保険料納付要件を
クリアーすることになりますよね。
そうすると、どうでしょう? 民間の保険会社でも今まで保険には
加入していない、或いは保険料を納めていないのに
ケガしただの、交通事故にあっただので、支払い対象の事故があって
契約・加入・保険料の支払いをして、保険をもらえるならば
こんないいことはないけど、こんなことしていたらそもそも
保険制度自体、成り立たないというのは誰でも分かります。
そういうことなんです。

次に、「前々月まで」という表現なんですが、年金の保険料の納付期限は
翌月の末日となっているのです。それで初診日を基準に保険料の納付の
状況を確認するとすれば、「前月まで」でみてしまうとまだ保険料の納付
期限が過ぎていないので、結果的に納付状況を見れないということに
なってしまいます。そこで、「前々月まで」で区切ってチェックするのです。

それから、今は特例で②を満たせば、例え①を満たさなくても
問題なし! という扱いをされるので、②だけ見た方が早いんだけども
単に、②を見るときに、初診日の前々月までの1年間にどこかに
勤務していたので、何ら問題なし! と思い込んではダメです。

全ての事業所が、厚生年金の加入の対象ではありませんし、
今のように、法人の事業所が厚生年金に加入しなければならないのは
決して、昔からではなくて、従業員何人以上を対象とする
といった人数での事業所規模の加入条件が法律の改正によって
段々無くなってきたので、今厚生年金に入っている事業所なので
最初から、厚生年金に加入していた、とは限らないわけです。

このへんがこれまた、難しい点ですね。



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2012年8月16日木曜日

第30回 資格要件を詳しくみると・・・

前回、障害年金をもらうための資格要件についてみた。
今回は、その続きである。
昭和61年3月以前と昭和61年4月以降の年金制度は
大きく異なるという話を前にしている。

実はこのあたりが、場合によってはかなり難しくなり
年金事務所の窓口職員でも間違った説明や処理をされる事があり
我々も、よく確認しなければいけない点になる。

また、年金制度は何度も今までに改正されているために
その影響を受ける人達がいる。

具体的には、学生やサラリーマンの配偶者等が代表的。

平成3年3月以前までの学生や
昭和61年3月以前までのサラリーマンの配偶者は
国民年金に必ず加入しなければならないといった扱いではなく、
任意の加入という扱いでした。

こういう扱いの違いによって、実際に障害年金を請求する際には
障害基礎年金がもらえる場合もあれば、障害基礎年金は
もらえない代わりに、特別障害給付金がもらえる事もあります。

ただ、この辺りは深く入り込む必要はありません。
何故ならば、余計に分かり難くなるからです。

ポイントとしては、障害年金の資格要件(加入要件と保険料納付要件)は、
書籍やパンフレット等に書かれているものは一般的な原則であり、
人によっては、それがそのまま当てはまらない場合がある
という事を知っておくことです。

原則だけではなく例外的な扱いもある、という考えは
障害年金だけでなく、老齢年金をみる場合にも
とても重要なことです。



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2012年8月12日日曜日

第29回 資格要件は・・・本当は複雑

障害年金をもらうための3つの要件である
年金制度への加入要件と年金保険料の納付要件を併せて
資格要件と言います。

実はこれがやや複雑なんです。
簡単に言いますと、昭和の頃に発病時期がある人
つまり、約30年近く前に発病している人は、要注意です。

障害の原因となった傷病の発病した頃の法律の定めにより
この資格要件が決まり、もう何度となく法律の改正で変更されています。

ここでも他の人の話をそのまま自分の話にすると、間違えてしまいます。
ですから、障害年金はあくまで、その人・その人と個人の状況に
合わせて、その請求を検討しなければならないわけです。

資格要件は、昭和61年4月以降の今の年金制度と
それ以前の年金制度では、全く違います。
この昭和61年4月以降か、3月以前か? というのは
障害年金に限らず、年金を考えるうえで重要です。
年金制度自体、もう全く別モノと考えて下さい。

加入要件につきましては。初診日に年金制度に加入していたかどうか
ということになりますが、これは原則であり、加入していなくても
条件を満たす場合があります。 (前にも書いた筈ですが・・・)

一方の年金保険料を一定期間分、納めたか否かという条件
つまり、納付要件については何度も改正され、途中で変わっています。

年金保険料を間違いなく、完全に納めたという方は何ら問題にはなりません。
・・・が、保険料を納めていない期間がある場合には、この納付要件を
クリアーすることが、障害年金の請求の一つのハードルになります。

と言いましても、今から納めていない分を納めても
将来もらう老齢年金には影響しますが、障害年金を今から請求しようとする場合
少なくとも過去の時点で判断されるので、どうしようもありません。


また、この先は次回に続きます。



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2012年8月10日金曜日

第28回 障害年金は保険なんです!

障害年金をもらうための条件(法律では、要件と言います。)は
3つあります。既にお話した通りです。

1 年金制度への加入要件
2 保険料の納付要件
3 障害状態要件      になります。

この3つの条件を満たして、初めて障害年金をもらうことが出来ます。(例外もありますが・・・)
どれか一つでも、欠けると原則的には障害年金を全くもらうことが出来ません。

例えば、年金の保険料の納付要件ですが、1ヵ月分でも保険料の納付が
必要な期間分に足らないと、それだけでアウトです。
自分の年金記録に抜けている年金の記録がないかどうか、
必死で探さなくてはいけないことになります。

国が定めたルールなので、多少厳しいと思われるところもあるかもしれませんが、
どうしても、年金制度という大きな柱で成り立っているわけですから厳しくならざろう得ません。
でも、民間の保険でも同様ですよね。保険に入って保険料を納めて、入院するだの
交通事故にあうだの、最初に定めた事故が生じた場合に保険金が支払われるというのは・・・
ただ、年金の保険料の支払いは義務であり、民間の保険のようにテレビでCM等を
流すわけではありませんので、いざ、障害年金を請求しようとすると
年金の保険料が足らない、なんていう事は実際にある話なんです。



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2012年8月8日水曜日

第27回 初めて2級の請求

障害年金について、障害認定日請求と事後重症請求を見てきました。
次は、初めて2級の請求というものを見ます。
・・・が、ややこれは特殊なケースなので、概略のみお話します。
必要以上に話すと、かえって分かり難くなりますからね。

障害年金での障害等級、つまり障害年金をもらえる障害等級は3級まで
(障害基礎年金は、2級まで)しかありません。重い方から1級・2級・3級です。

障害と言っても、必ず一度に障害状態になるとは限りませんし
同じ病気や原因で、障害状態になるとも限りません。
こういった場合の障害年金の請求方法の一つが、今回の「初めて2級の請求」です。

3級程度、或いは3級より軽い障害状態である方が、その障害の原因となった
傷病とは別の傷病でも障害状態になって、最初と後の障害状態を合わせると
全体としての障害状態は、2級以上に該当するというパターンになります。

この場合、後の方の障害での初診日に加入していた年金制度から
障害年金が支給されることになり、前の方の障害での初診日では
通常のような、年金の加入の条件や保険料の納付条件は問われません。

このパターンの請求では、65歳までに障害状態になっているという事が求められ
請求自体は後の方の障害での障害認定日以降であれば、65歳以降も出来ます。


・・・とまぁ、このようなものです。



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2012年8月5日日曜日

第26回 事後重症請求とは?

前回、障害認定日請求という請求を見ました。
原則として、初診日から1年6ヶ月経過時点の心身の状態で
障害の程度を判断してもらい、障害等級に該当すれば
その時点より障害年金がもらえるという請求のパターンです。

しかし、この時点では障害の程度が軽くて障害等級に該当せずに
障害年金がもらえないような場合があります。
後に症状が悪化して悪くなったというパターンです。

障害認定日に障害等級に該当しないような状態が、
後に悪化して、障害等級に該当するような場合の請求法を
事後重症と言います。簡単に言えば、現在の状態で
障害の程度を判断してもらうという請求の方法です。

これには、ちょうど原則の初診日から1年6ヶ月時点の
障害認定日に医療機関にかかっていない場合や
かなりの年数が経って、その時点のカルテが保存されておらず
障害認定日時点の心身の状態が証明出来ない場合も含みます。

障害認定日時点の状態が証明出来ないか、
その時点では症状が軽かったというような場合に
現在の心身の状態で、障害年金をもらう障害等級にあるか否かを
判断するわけです。

障害認定日請求と事後重症請求の違いは、診断書の作成時期
つまり、どの時点の身体の状態で障害程度を判断してもらうかであり、
前者の場合には、認められれば最大で現在より5年分
まとめて、さかのぼって障害年金がもらえるのに対し
後者の場合には、さかのぼってもらえる事はありません。
当然、前者がもらえる場合には有利なわけですが、
ご説明したような、理由でどうしても障害認定日請求が出来ない場合
この事後重症での障害年金の請求をせざろう得ません。

事後重症の請求を行う場合には、請求日から3ヵ月以内の診断書、
つまり請求書を提出する3ヵ月以内に作成された診断書を用意する
必要があり、障害認定日時点の診断書は不要です。

この事後重症の請求で気をつけたいのは、請求自体が
原則として65歳になると出来なくなるので、65歳までに請求するという点です。



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2012年8月1日水曜日

第25回 障害認定日請求する場合

前のブログの続きで、障害認定日請求をする場合です。

リアルタイムで、現在ちょうど障害認定日時点であれば
現在の状態を書いてある診断書を提出すればいいので、何ら問題ありません。
しかし、障害認定日請求は数年後でもさかのぼての請求が出来ます。
その場合には、どうなるか? というお話です。

その場合には、原則的には障害認定日時点の診断書と現在の診断書2通必要です。

しかし、障害認定日から1年以内に障害年金を請求する場合には、
障害認定日後3ヵ月以内の状態を診断書だけ、提出するといいということになっています。

つまり、障害認定日から1年以上経過しての障害年金の請求の場合に
障害認定日時点と現在の診断書が必要で、2通必要になるわけです。

多くの障害年金の場合、障害認定日から1年以上経過している事が多いので
2通の診断書が必要になるようです。

なお、障害認定日時点の診断書とは、障害認定日後3ヵ月以内の心身の状態を
書き込んだ診断書であり、現在の診断書とは障害年金の請求書一式を
年金事務所で受け付けられた時点から、3ヵ月以内に作成された診断書になります。

書類不備から年金事務所で最終的な受付が出来なくて、現在の状態を書き記した
診断書の作成年月日が3ヵ月を経過すると、その診断書は無効になるために
また、診断書代を支払って現在の状態の診断書を医師に書いてもらうことになるので
障害年金の診断書を、あまり早く書いてもらうと時には、無効になるので
注意が必要で、段取り良く、診断書以外の準備をしておく必要があります。



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第24回 障害認定日請求とは?

障害認定日請求については、前に少し書いたと思いますが
改めて書きます。

一つ前のブログで、障害認定日について書きました。
心身の状態が、障害年金でいう障害等級に該当するか否かを判断する基準日を
障害認定日と言って、原則は初診日から1年6ヶ月経過日ですが、
例外があるということを書いています。

この障害認定日時点の診断書を提出して、障害状態が障害等級に該当すると
認められると、その翌月分から障害年金が請求されることになります。

これがリアルタイムで、現在ちょうど障害認定日の時期ではなくて
初診日から1年6ヶ月経過日に、障害年金のことを知らずに請求していなくて
それから数年後に、この1年6ヶ月時点の診断書を提出出来て、
認められると、現在から5年前まではさかのぼって障害年金をもらうことが出来ます。
請求自体は、数年後でも出来ますが、さかのぼってもらえるのは最大で5年分です。

この5年というのは、時効の関係で最大5年と決まっています。

そして、現在からさかのぼることを遡及と言います。

障害認定日請求とは、初診日から原則1年6ヶ月時点で障害年金を請求すること
とご理解下さい。

あとは次回に続きます。



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第23回 障害認定日とは?

障害認定日、という言葉は障害年金の話ではよく出てきます。
障害年金の請求書にも、書かれている言葉です。

認定とは、審査して認めるという意味で、心身の障害状態が
障害年金で定める障害等級に該当するか否かを判断する日を障害認定日と言います。

障害認定日とは、原則は初診日から1年6ヶ月経過日となっています。
但し、次のような例外があるので注意が必要です。
何故、注意が必要か? と言えば、この障害認定日時点の心身の状態を
判断する材料となる、この時期の診断書が必要になるからです。

1 人工透析を開始して3ヵ月経過日
2 工骨頂・人工関節を挿入置換した日
 人工肛門・新膀胱の造設,尿路変更術を行った日
4 ペースメーカー・人工弁を装着した日
5 肢体の切断・離断した日
6 咽頭全摘出
7 在宅酸素療法開始日
8 症状固定と認められる日     等々

しかし、これらは障害認定日の原則である初診日から1年6ヶ月経過前に
これらに該当した場合に、障害状態が固定化・安定化したと解釈されて
特別に認める、という意味なので、これらの日が初診日から1年6ヶ月経過日よりも
後にある場合には、これらに該当しても障害認定日は、1年6ヶ月経過時点と
なります。 この点も難しい点の一つです。

また、20歳前に障害状態になった場合の障害基礎年金の場合は
20歳になった日と、かなり特別の扱いがされます。

20歳前に障害状態になった場合の障害基礎年金については
扱いが色々と異なりますので、後にお話致します。


今回のポイント

・ 障害認定日は、初診日から1年6ヶ月経過日だが
  例外に該当する日が、それ以前の場合にはそれ以前の該当日
  1年6ヵ月以降であれば、原則通り1年6ヶ月経過日


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